空き家問題は今後もっと深刻に?増え続ける空き家はどうするの?
令和3年6月に発表された国土交通省の資料「空き家対策の現状」によると、2023年に世帯数の増加はピークを迎え、その後は減少に転じていきます。
ここ北見市はもちろん、北海道全域にとどまらず全国でその傾向が見られるのです。
つまり、今後はさらに空き家が増加することを意味しますが、空き家が増えるどのようになるのでしょうか。
ここでは空き家問題について掘り下げていき、空き家問題とその対処方法、空き家を取り巻く特別控除についてお話します。
空き家問題と空き家が巻き起こすトラブル
全国的に空き家が増えていることは周知の事実ですが、そもそも、空き家が増えることでどのような問題になるのでしょうか。
そもそも、売却用や賃貸用、別荘のような普段利用していない建物など第三者が目的をもって管理している、または有償で管理しているものに問題はありません。
上記の3種類以外で明確に利用目的が決まっていない、所有者自らが管理すると言われている空き家が問題になります。
例えば所有者が高齢のために老人ホームへ入所したり、病気のために長期の入院をするなどの理由で家が空いてしまうことがあります。
そこに同居家族がいれば問題ではないのですが、核家族化が進んだ昨今、高齢の親を残して子供家族は遠方に暮らしていることは少なくありません。
そうして空き家が生まれた場合、誰も住まず、積極的な管理もされず、とは言え将来的に利用するかも、親が戻るかもなどの理由で売却や賃貸にも出されることがない建物が生まれます。
そういう建物が空き家問題へと発展していくのです。
空き家問題が巻き起こすトラブルは、大きく分けて2つ、地域社会の問題と治安の問題です。
地域社会において空き家が増えると、地域に住む人が減るということなので、単純に経済活動も鈍化します。
水道、電気や道路のなども利用者が減れば減るほど維持が難しくなり、現在の地域住人への負担が大きくなってきます。
それにより、負担が少ない地域に転居が進んでしまう悪循環に陥る可能性があります。
空き家が増えると治安が悪くなるとも言われていて、不審者が住み着いてしまったり、放火被害の対象にもなりやすいそうです。
もし、隣家が空き家だったと考えると、上記のような被害は避けたいところです。
放火被害じゃないにしても、空き家が火事になった場合、建物所有者は近くに住んでいなければ気が付かないので、近隣から消防への要請になってしまうので、初期消火のタイミングも遅くなります。
いずれにしても、空き家があることでトラブルに巻き込まれやすくなってしまう恐れがあるのです。
建物は誰かが使用している時期より、誰も使用していない、空き家の状態のほうがより傷み、誰も住んでいないため、その損傷に気が付くのも遅くなってしまいます。
台風によりメンテナンスがされていない傷んだ屋根が飛んでしまい、人や物に当たってしまうことも考えられるでしょう。
近所の住人からすると、もし人や子供に当たってしまったら・・・そういった懸念も、空き家問題のひとつと言えますね。
管理?売却?空き家をどうするのが良いの?
両親が住んでいた家、相続してしまった遠くの家、こうした空き家を取得または空き家管理の必要が出てしまった場合、どのようにして取り扱うのが良いのでしょうか。
将来的に利用する、誰かがその空き家に住むのであれば管理する必要があります。
具体的には建物の空気入れ替え、掃除、破損箇所の修復、電気・ガス・水道などの定期的な点検など、多岐に渡る作業が必要です。
近くに暮らしていても大変な作業ですが、遠方ならばもっと大変な作業でしょう。
日々の仕事、生活に追われてしまうとそれどころではありませんし、親族全員で負担するとなっても話がまとまらないことが懸念されます。
こうして管理がおざなりとなり、徐々に建物が荒れ、荒れた建物は管理しきれなくなり・・・の悪循環、これが空き家問題の原因です。
空き家を問題があるものにしないためには、空き家管理が必要ですが、自分の手には余る、そんなときはどうしたら良いでしょうか。
ひとつの方法として、専門業者へ空き家管理の依頼があります。
空き家に対して必要な管理を委託し、有償でやってもらう方法です。
費用はどの程度まで管理を、どれくらいの頻度で依頼するかによって変わります。
一概にいくらとは言えませんが、清掃と点検を月額で、リフォームの必要があれば都度見積もり、といったイメージで見積り依頼すると良いでしょう。
空き家管理の負担を金銭面のみで抑え、いつか空き家を利用するときのために管理をしてもらえば、その空き家は問題に発展しづらいですね。
将来的に利用する予定がなければシンプルに売却することをおすすめしますが、その場合には家財など残置物の処理、場合によっては大規模修繕やリフォームも必要になることも。
直近まで建物を利用していて十分使用に耐えられる場合は、中古住宅として売却することも可能ですが、家財など残置物があるならばそれを撤去しなくてはなりません。
建物に痛みがあるけれどもまだ使用できると考えられる場合は、建物のリフォームや、外壁や屋根が傷んでいる場合には大規模修繕が必要です。
また、建物が古く使えそうにないならば、解体することも視野に入れる必要があります。
こうした判断は難しいもので、持ち主からすると希望的観測でつい負担が少ないほうを選択しがちで、その結果、販売が長期化して値段が大きく下がる可能性があります。
そうならないためには、市場のニーズや価格帯、建物の状況をプロの目線で判断してもらうためにも不動産会社への依頼をおすすめします。
特に不動産買取業者への相談は実際売却するときの参考になることが多いです。
不動産買取業者は実際に買い取ってからの再販が目的なため、現実的な検討で建物をどう活用するのかを判断し、買取金額を算出します。
もし、売却活動を長期化させたくない、すぐに売却し資金を手にしたい場合には、買取会社にそのまま買い取ってもらうこともできます。
普通に時間をかけて売却するときに比べ、金額が低くなるのは否定できませんが、確実な売却を時間かけずにできるので、そのメリットを優先したい人には検討の価値が十分ありますね。
売却するときのお助けに!空き家売却の特別控除
空き家管理する、空き家売却する、とひとことで言っても、行動に移すのは簡単ではありません。
だから、国や自治体では空き家対策のためにいくつかの支援策を講じています。
そのひとつは国土交通省が法律で定めた「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。
いざ相続で取得し、空き家売却するとなっても、売却時に発生する税金が足かせとなってはスムースに売却の決断ができません。
ましてや相続が原因で取得した不動産を売却する際の税金は高額になることも多いです。
国土交通省では空き家対策の一環として、相続した空き家、または建物取壊し後の土地を売却したとき特別控除の対象になり、税金が発生しづらくする法律を定めました。
本来ならば不動産売却所得が課税対象になりますが、特別控除により売却所得から3000万円の特別控除を受けられます。
北見市でも「北見市不良空き住宅等除却補助事業」に取り組んでいて、空き家の除去に対する補助金制度を設けています。
特別控除にしても、北見市の補助事業にしても一定の条件があるので、詳しくは不動産会社に確認することをおすすめします。
まとめ ~空き家に困ったらまずはご相談ください~
昨今、増加傾向にある空き家、中でも管理のされていないものについて多くの空き家問題を引き起こしています。
その対策として管理や売却をすすめることもできますし、売却する場合は特別控除や北見市の補助事業の恩恵に預かることもできます。
いずれにしても弊社では空き家の管理や買取対応も可能ですから、質問や相談などございましたらお気軽にお問い合わせください。